倫理規定設定で“ゲーム”が変わる?
1997年11月25日初版発行『なりたい!ゲームクリエイター』(大栄出版)より

CESA(社団法人コンピュータエンタテイメントソフトウェア協会)という団体を御存知だろうか。CESAは、テレビゲームのゲームのソフト会社が集まって設立された業界団体である。このCESAが、性や暴力の表現を抑制することを柱としたゲームの倫理を規定した。規定に触れそうな作品は、協会の倫理委員会が審査し、不合格の場合は販売の禁止が求められる。
CESAの倫理規定では、差別表現、性表現、反社会的、暴力および犯罪などについて、その表現が細かく定められている。たとえば、「性行為の課程や方法を表現しない。実写であろうとアニメーションであろうと、性的な感情を刺激するような表現はしてはならない。人間や動物が無残に惨殺されている状態を刺激的に表現してはならない」等々、25項目が規定されている。その内容は、常識的なものがほとんどで、ゲーム会社が既に自主規制している内容とそう大差ない。しかし、“遊び”というものを公に、有害とそうでないものとに線引きするというこの行為、果たして現実的な対応と言えるのだろうか。たとえば、“殺人や暴力的な行為の刺激的な表現を禁止”となると、既存のテレビゲームの中にはこの境界線に位置している作品がたくさんある。『鉄拳』で人をぶちのめすことは、暴力的で刺激的ではないのだろうか。『バイオハザード』でゾンビを撃ち殺すことは? わからなくなってくる。
ところで、テレビゲームよりずっと無法地帯化しているパソコンゲーム業界にこそこんな規定が必要だと思うのだが、パソコンゲームメーカーはそもそもこの協会に非加盟なため倫理規定は及ばない。いろいろ矛盾に満ちたゲーム業界なのである。




女の子お絵かき掲示板ナスカiPhone修理